山陰地方は神話と神社が多い事で全国にも知られています。中でも、『出雲国風土記』楯縫郡の条の佐香郷に、川の中州で180柱もの神が集まって御厨を建てて酒を造り、180日もの間宴会をしたあと解散したという説話が記載されています。例大祭は10月13日。濁酒祭(どぶろくまつり)とも呼ばれ、古来から続いて今に至っています。

当地は、古くは「出雲国」と称されますが、十月が他国では「神無月」であるのに対して、出雲国では「神在月」となり全国から八百万の神々が集い、国護りの議事や縁結び談義を重ねたと伝えられています。また、ヤマタノオロチ退治、古代出雲大社における酒造りなど、この地の神話や風土記には神と酒が密接に関係していたことがうかがい知れる様子が記されています。
出雲佐香神社の主祭神は「久斯之神」であり、「酒造の神」でもある。古くから酒の神様として信仰を集めてきたことがわかりますが、この「佐香(サカ)」が古代に酒を表す言葉でもあることから日本酒発祥の地であるとも推察されています。「山を護る神様、海を護る神様、縁結びの神様、安産の神様」も祭られています。

■日本最古の酒造場 ~今も境内で醸され続ける濁酒
そもそも出雲国の酒は神社から始まったもので神様に酒をお供えし、神事の後の酒宴で御神酒としていただくことで神様との一体感を感じることが飲酒の目的であったようです。

出雲国風土記には、この酒宴の地の舞台が出雲佐香神社であると同時に、御神酒が造られたことが記されています。島根県(古代の出雲国)には、酒造免許を付与され、酒造りが認められている神社が現在でも二社ありますが、その一社こそ、出雲佐香神社であります。(SSIより引用)65代目「常松 宮司」様は35年前、松江市内でも小規模の中学校に勤務、修学旅行の担当をなされておられ、JTBに初めて決定して頂いた先生でもありました。その年の夏、小規模校ながら、野球部が初めて県大会への出場が決定しました。常松先生が野球部の顧問でもあったので、私も初めてバッティングピッチャとして練習に参加 100球余り投げた事もありました。その後は、修学旅行等でも同行する事はありませんでしたが、学校等でお会いした時など何時もお声を掛けていただきました。また、濁酒祭りには是非とお誘いも頂きましたが、まだ、失礼をいたしております。毎年、招待されている知人からも今年は参加するように声を掛けていだき今年こそはと思っています。山陰にお越しで、お酒好き方は是非、お参りなされてはいかがなものでしょうか?今まで以上にお口に会った、山陰の美酒に出会うかもしれませんよ。

6月22日久しぶりに訪問し、3年前66代目を継がれた「禰宜」さんに書物等に書かれてないことなど多くの話をお聞きしました。特に、歴代の宮司様が行われてこられたように「願い主の頼みごとを、大神様に伝える役目」が神主なので、真心を込めてお祈りをする。その為には、社殿をはじめ、社周辺を常に綺麗に掃除を行い、参拝される皆様が気持ちよくお参りいただける様、心がけているとの事でした。現在、お酒に関するお札類、お神酒類の販売は一切されてなく、神社を守って行くには厳しい状況になっているが、知恵を絞ってお参りただける方に奉仕したいとの素晴らしい話でした。

その後、私は故郷に帰り農作物を収穫、近年になく良い作物が出来ました。翌日、松江に帰る道で10キロ以上離れている親戚のおばさんが急に訪ねてきて沢山の魚をくれました。夜釣りで孫娘がつってきたお裾分けとの事でした。5分早く松江に出発していたら会う事も魚をいただく事も出来なかったのに、「佐香神社」の御蔭と家内と喜びました。

井上啓史