お役立ち情報に「自作集音器とアイフォン補聴器を試してみました」が掲載されました

耳がだんだん悪くなりました。テレビの音は外付けスピーカーで対応できたのですが、対話者の声がよく聞こえないことがあるので、補聴器の購入を考えました。

耳鼻科で検査を受けたところ、右耳は軽度難聴、左耳は中度難聴と診断され、。調整された補聴器を1週間ほどテストで使用したところ、右耳はつけないよりクリアーに聞こえるようになりましたが、左耳は金属音のような変な音で使用に耐えませんでした。右耳だけの購入を考えましたが20万円とかなり高いのと、補聴器なしでもまだ十分聞こえるので当面の購入を断念しました。

補聴器は、単純に音を大きくするだけではなく①外部雑音の軽減②聴力検査に基づく音声周波数補正(例:高音域の増幅)という機能がある医療機器で、耳鼻科の検査と認定補聴器技能者による調整保守が継続的に必須です。また耳穴に収まるほど超小型に制作されているため機種により片耳10万円から40万円と高額です。

テレビのCMでよく見る2万円程度のものは補聴器ではなく集音器です。補聴器とは異なり音を単純に大きくするもので①外部雑音の軽減や②聴力検査に基づく音声周波数補正という機能はない(又は機能が低い)ので、耳に良くないという情報もあります。

そこで集音器を自作して試してみました

集音器とはマイクで拾った音をアンプで拡大しイヤフォンで聞く携帯型の機器ですので、①マイク②携帯アンプ③イヤフォンを購入し組み立てみました。

カメラマイク, BOYA BY-P4A(3.5mm TRS) 2300円
② LBEC マイクアンプ、DC 5V 3.5mmインターフェース高ゲインマイクアンプ 3050円
③ Audio-Technica モノラルイヤフォン DMK-32   716円

合計:6066円

結果は驚くほど良く聞こえるのです。集音器をテーブルに置くまではガサガサといった外部雑音が大きく聞こえますが設置が安定すると、ささやくような声でもはっきり聞こえ音質も自然です。充電式で携帯性も良好です。補聴器のように一日中使用するのではなく、必要な時(会議や会食など)に使用するならこれで十分だと思いました。

補聴器の自作も挑戦したのですが、結構難しく思うような結果がでず難航していたところ、アップルから朗報が届きました。iphoneを持っていれば39800円のイヤフォンを購入することで補聴器になるというのです。

そこで早速アイフォン補聴器を試してみました。

指定イヤフォンAirPods Pro 2(39800円)を購入し、アイフォンのOSを最新の18.1にアップデートします。AirPods Pro 2をアイフォンにBluetooth接続し設定を開始すると聴力検査が行われます(耳鼻科の病院で行うように片耳づついろいろな周波数の音を聞き、聞こえるとアイフォンの画面をタップする)

アイフォンの内蔵マイクで音を拾い、アイフォンで①外部雑音の軽減②聴力検査に基づく音声周波数補正が行われ、イヤフォンで補正された音を聞きます。個人的な経験では軽度難聴側はかなり聞きやすくなりましたが、中度難聴側はそれほど明快な効果はありませんでした。

アイフォンの補聴器機能は軽度難聴から中度難聴まで対応していますが、耳の障害の度合いにより中度以上の難聴を補正すると不自然な音(例:キンキンした音)になったりして使用に耐えないこともあります。これは通常の補聴器にも言えることで、中度以上の難聴の補正はかなり難しいようで専門医の診断と認定補聴器技能者による調整が必要だと思います。

アイフォンを持っていれば(持っていないとアイフォン購入費用が別途機種により10万円から20万円かかりますが)39800円で補聴器が手に入り、耳鼻科や補聴器店に行かなくても、自分で調整できるのは大変魅力的です。しかし設定や利用にノウハウが必要なのでアイフォンなどのデジタル機器の利用が得意でない方(特に高齢者)には向かないかもしれません。。その点ボリュウムを回すだけ(スイッチオン&音量調整)の集音器の方が現実的かと思います。