会員だより:ポストコロナもツーリズム (京葉 田部井正次郎)

 コロナ騒ぎの中、やはり旅行観光のことが気になります。
 「集いツーリズム」を提唱する者にとって3密は最大の敵。それは「会場に人が集まり、フェイスツーフェイス(F2F)で議論する」会議など、コンベンションを根底から否定するからです。
 今、国内外でほとんどの会議やイベントが中止、またはオンライン開催に切り替わっている中、8月19日から東京お台場のホテルで日本感染症学会が開催されました。
「感染症の新時代を拓く― 探求する心を誇りとして」をテーマに掲げてF2Fで開かれたものです。
政府に3密政策を薦めた当の学会が自らその禁を破ってF2Fで開いた会議の意義は大きい。喫緊のコロナ問題の解決に向け、オンラインでは済ませられないためで、IT技術がいくら発達しても「人と人が会う必要性、会うことのメリット」を実証したものです。
 旅行では、大前研一氏が3密を避けた「人生百名所」プランを提唱しています。リタイア後、全国好きな所を旅して老後の人生を充実させれば、国内旅行の消費を2倍に増やせる、という説は傾聴に値します。
 人間の根源的な欲求である旅と集いのニーズは不滅であり、パンデミックの早期終息を祈るばかりです。