会員だより:作品展〝ことはじめ〟(湘南 安西 美津子)

 作品展に第1回から10年間係わった者、そして30回出展を続けてきた者として、継続と長生きを改めてかみ締めている。
 囲碁と将棋、世間話の場所的OB会もイベントを計画する時期を迎えていた。理事会に議題として作品展を提起した。「やりましょう、今年度中に」との小泉BOB会長の一言で決まり、奔走した。まず会場探しだが、都内の画廊の使用料の高いことに悩んでいたら、「ここ(日本橋BOB室)でやりましょう」と、またまた会長の鶴の一声。作品展発足はここからである。
 絵画・写真は趣味人が多く、OB以外の観覧者からは「さすがJTB」とお褒めの言葉をたくさんいただいた。作品展も回を重ね、趣味が高じて、売れる弦楽器を作る会員、公募写真展で上位入賞を重ねる会員、仏像を作成する会員、書・画の師匠として活躍する会員等を輩出している。
 JTB役員の方にもお越しいただいたが、石田会長は「値の張るカメラを買いました。毎朝決まった時間にベランダから富士山を撮っています。腕が上がったら出展しますから」とおっしゃっていた。しかし、かなわなかった。後日、奥様にお願いをして、ベランダに立ったが、富士は見えなかった。ネガをお借りし、写真を展示した。
 第10回記念展は天王洲の本社会議室で開催した。下見の時、1階受付の背面壁の美しさに惹かれ、絵画の一部を展示する計画を立てた。大きな吸着フックを用意し、若手会員にはしごに上ってもらい設置したが、20分くらいすると全てが50㎝程下がっている。何回やっても下がってしまう。管財の社員を呼んでしまった。「この大理石は本物なので呼吸していますか
ら、吸着フックは役に立ちません」とのこと。今回も初日、まず正面玄関に入り、壁を眺めた。美しい、美しい白だ。
 91 歳入ろう。海外を題材にした出展品の増えることを願っている。