会員だより:大谷くんロス(湘南 鷲澤 典子)
 2月29日、奈良に嫁いだ娘から「大谷選手が結婚したよ」とわざわざ電話がありました。私が大谷くん(親しみを込めてこう呼ばせていただきます)の大ファンだと知っていたからです。正直、ショックでした。でもきっと、この日は私ばかりでなく、日本中の女性が老いも若きも、少なからず落胆の溜息を漏らしたのではないでしょうか。実は我が夫も「うちの娘の婿は大谷くん」と1ミリくらいは密かに夢見ていたのです。
 私は野球にそれ程興味を持っているわけではありませんが、昨年のWBCには夢中になりました。
選手達は若く、母親?おばあちゃん?の気持ちで応援しました。お陰で、選手の顔と名前は随分覚えました。試合も目まぐるしく展開し、一試合も目を離すことができませんでした。そして優勝。近年これ程嬉しいことはありませんでした。私の殊勲賞は吉田正尚選手と大谷くんです。特に最終アメリカ戦での一言は見事。『今日は憧れるのをやめましょう』だなんて……強い相手にも真っすぐに向き合う、覚悟した侍を感じました。
 それに、少年達にグローブを贈るとか、人知れずグランドのゴミを拾うとか、さり気なく他人を思いやるとか、日本人の精神性の良さが感じられるのも好もしい。結婚と聞いてがっかりはしましたが、あの童顔の笑顔を見ると素直に言えてしまいます。おめでとう!