九州支部では、総会の時に積極的な生き方をしている人を「アグレッシブ人生大賞」として顕彰しております。今回は該当者が2名あり、支部だよりでは栗林くみ子さんをご紹介させていただきます。栗林くみ子さんは、①30代頃から趣味として山登りを始め、50代になり本格的となり近年では年間100日は軽く越しているとのことです。②国内は、北は利尻山、知床連山、大雪山はじめ、南は屋久島の宮之浦岳まで制覇しており、もちろん北・中央・南アルプスの連山も制覇済との事です。海外では、マッターホルン、モンブランやネパールの山々の登頂に成功。③忘れられない山はと聞くと、それぞれの山に魅力があり絞り込みはできないが新潟、福島、山形の県境にまたがる飯豊連峰縦走の際には雪渓が崩れ、雪中ビバーグを余儀なくされたそうです。④冬山登山では凍傷寸前の厳しさも経験をし、命がけの登山も多々あるので実技訓練も欠かさず行っているとのことです。とにかくパワフルに生活をしていて、栗林くみ子さんは、「私に足りないものは時間とお金」と。
以下、栗林くみ子さんの回顧録から・・・
2010年の退職を目の前にカレンダーが白紙になのに気付き、あっこれじゃあマズイと今まで見もしなかった市政だよりを読み、自分にあったイベントや体験会に参加し、カレンダーを埋めていったものでした。
それから8年がたち、今ではカレンダーの中で調整が必要になる有様です。ただ現状維持はしなければならないと日々体力維持のトレーニングは欠かせません。それも楽しくやりたいので、週2回の水泳サークルやフラダンス教室にも参加し体力の維持に努め、料理教室にも通い、週末は山の生活を送っています。
65歳を迎えた2016年でした。友人に「モンブラン、マッターホルンに登らないか」と、声をかけられて、1ヶ月しかない期間にトレーニングに励み、高所順応体験で行った富士山八合目の宿泊が天候不良で中止になり、不安がありましたが出たとこ勝負だと思い、7月12日オランダ航空でアムステルダム経由ジュネーブへ向かいました。
天候に恵まれ到着した翌日にはロープウエイでミデイ頂上駅へ。いきなりモンブランドタキュル4165mでの高所訓練で一日休養して、翌朝7時モンブラン登頂成功(4,810m)。
その日のうち下山し、シャモニーからツエルマットへ移動、早朝4時に出発し、マッターホルンへ向かうが核心の所の一歩どうしても踏み込めずダメかと思いきや、スイス人のガイドが上から「ガンバ! ガンバレ!」と日本語でエールを送ってくれた一言で10時にマッターホルン登頂成功(4,478m)。登頂してガイドと握手をした時、彼がとてもイケメンだったのが印象に残っています。
それが励みになったのか時間が取れれば日本の山々を登っております。今春は経験を積んだ人だけが挑戦でき、高度な登山技術を必要とするといわれる念願の信州の岩稜地帯の北鎌尾根、小槍の西陵そしてジャンダルム(3163m)から西穂高岳(3196m)までを縦走。お盆は裏銀座といわれている長野、富山県境の烏帽子岳から雲ノ平折立へ、満喫の山登りでリフレッシュしました。
私にとって山に魅せられるのは、それぞれの山々が四季ごとに違う容姿を見せてくれることと、その雄大さがいつも私を受け入れてくれるからです。また、山登りは競争ではないということです。自分のペースで登れることが、これからの私の人生の生き方と同じようです。