蕎麦愛好会初めての1泊旅行は、希望の多かった銀山温泉と大石田のそば街道を巡る旅です。11月13日(月)福島・会津・米沢から自家用車1台、仙台からも1台に4名乗車して大石田駅でコーディネーター役の佐藤利喜弥さんと合流し、「手打ち大石田そばきよ」に向かいました。平日だと言うのに11時15分到着時には30名の先客がありお座敷は既に満席です。それでも私たち8名は待ち順番が1番で、12時少し前にお座敷に通され、それぞれ名物の「板そば」に、そばがき、とろろ、鳥つけ汁等を注文しました。蕎麦が来るまで、地酒や生ビールを飲んで待つ事20分、「板そば」が運ばれてきました。大石田周辺でしか栽培していない在来種「来迎寺そば」は、中太の凛とした蕎麦で、香りと甘みの強い蕎麦のように感じました。皆さん蕎麦を食べ終わった頃に、齊藤修さんが頼んだ「そばがき」が大きなどんぶり一杯に出てきました。食べ始めたものの流石に量が多く、皆さんにお裾分けです。外には沢山のお客様が待ってますので、1時間程でお店を出て記念撮影後に移動しました。

最上川を渡り大石田の中心街に入り、そこから次の目的地「次年子」を目指します。ここも「七兵衛」等4軒の蕎麦屋があって大石田そば街道の人気スポットですが、今回は元次年子小学校の校舎を利用して陶器の風呂を作っている「次年子窯」を訪ねました。代表の高橋さんは、上山ホテル古窯からの注文もある大変注目の陶芸家です。また大石田に戻って、有名な「千本だんご」に立ち寄りました。流石人気店で店内は大賑わいで、注文をするのに行列を作っています。蕎麦を食べてお腹が一杯の筈ですが、甘いものは別腹でしょうか。皆さん美味しそうに食べていました。

ここから宿泊地の銀山温泉までは40分ほどです。温泉街の入り口に車を置いて歩いて「能登屋旅館」を目指します。銀山川の両側には大正浪漫そのままの情緒ある建物が並んでいます。その中でも一番奥の方に一際大きく立派な「能登屋旅館」がありました。玄関でお出迎えをいただき、館内の説明後に、一旦部屋に入りました。外観は大正時代そのままの姿を留めていますが、建物の中はリノベーションされてとても快適な部屋になっていました。再度集合して、温泉街の奥にある「白銀の滝」そして更に歩いて「銀坑洞」を見学しました。往復小一時間程の散策コースです。この日は珍しく暖かな一日で、気持ちよく汗をかいたところで温泉に浸かりました。

お待ちかねの懇親会は18時からです。テーブル・椅子席での宴会で、お料理は地元食材が多く大変満足の内容でした。ぶなかのかの油炒め、鯉の甘煮、尾花沢牛と山形豚のしゃぶしゃぶ、鮎の塩焼き、山形名物芋煮、それに手打ちそばも並びました。地酒と生ビールで齊藤修さんの音頭で乾杯です。この日の宴会の主役は、佐藤利喜弥さんと会津の五十嵐さんでした。大阪の吉本にも負けず劣らずの掛け合い漫才に、すっかり場が賑わいました。金子さん、鹿野さんの女性お二人もお料理と地酒には大満足の様子です。途中女将さんが挨拶に来られ、「500年も前のその昔、能登や金沢から銀鉱発掘の為に5名の山師の方々がこの地に来ました。その内の一人が銀山温泉を掘り当てた能登屋の創業者木戸佐左エ門です。」と言うお話を伺いました。何とも浪漫のあるお話です。宴会が終わったところで、皆さんお揃いの外套を着て夜の温泉街を散策しました。

翌朝6時に、予約しておいた貸切展望風呂に行きました。4階から更に階段廊下を80段登ったところに在りました。お風呂は半露天で、杉林の間からは昨日行ってきた「白銀の滝」が見下ろせました。何とも贅沢な展望露天風呂でした。朝食は昨日と同じ会食場ですが、大広間になっていて一般のお客様とご一緒でした。中には台湾と中国からのインバウンドの個人客2グループも来ていました。特に台湾では、NHK朝の連続テレビドラマ「おしん」が何度も放送されていますから、銀山温泉の知名度は高いようです。お料理には、その「おしん」で有名になった「だいこん飯」が選べましたので、皆さん懐かしそうにお代わりをしていました。

朝食の後は、1階の喫茶コーナーで珈琲のサービスがありました。朝には大女将さんも玄関に出られており、お客様お一人お一人にご挨拶をされておられました。大変お元気なご様子でした。出発前には、能登屋の玄関で、奇麗な女将さんにも入っていただいて記念撮影です。お荷物は手押し車で運んでいただき、私たちは温泉街を名残惜しくそぞろ歩きしながら車まで戻りました。

今日は9時に出発して、このまま山形まで行って「紅の蔵」で食事ですが、途中山形大学の近くにある「もみじ公園」に立ち寄り、見事に色づいた紅葉を楽しみました。その後、丸八やたら漬本店で、お漬物の試食と漬物のお土産を買い求めました。

昼食場所の「紅の蔵」には少し早めに到着しましたので、支配人の堀野秀子さん(会員)が来るまで、お隣の農産物市場で買い物です。堀野さんが来たところで、予約していただいた「蔵座敷」に案内いただき、早々に蕎麦の注文です。今日は、温かい蕎麦が人気のようでした。山形から合流の法人営業山形支店勤務の佐藤敏彦さん(会員)も一緒に、蕎麦が来るまでの間、堀野さん差し入れの地酒をいただきながら待ちます。その内に蕎麦が配られ山形3回目の新そばをいただきました。私も含め、「鴨せいろ」が多かったようですが、田舎そばにしてはやや細めのしっかりとした腰のある蕎麦で、皆さん大満足です。

今回も、山形県観光物産協会にお勤めの佐藤利喜弥さん、そして「紅の蔵」の堀野支配人には大変お世話になりました。また、帰り掛けには、斎藤敏明支店長もお見送りに来ていただき、山形の蕎麦屋巡りの1泊2日の旅は終了しました。皆様ご苦労様でした。(畠山 記)

<参加者> 齊藤 修、鈴木正利、五十嵐伸一、前田健二、金子美智子、鹿野美枝子、佐藤利喜弥、畠山 廣、堀野秀子(山形のみ)、佐藤敏彦(山形のみ) 10名