3月18日、小雨の中一人の欠席者もなく35名の参加で実施。演目は、片岡仁左衛門の「河内山」と尾上菊五郎の「芝浜革財布」です。
 「河内山」は、悪だくみにたけた河内山宗俊が、松江出雲守に幽閉された娘の奪還を金目当てに請け負い、上野寛永寺の僧侶になりすまして松江邸に赴きます。悪党ながら、弱きを助け強きをくじく、どこか憎めない河内山でした。
 「芝浜革財布」は落語でもお馴染みですが、大酒飲みで怠け者の政五郎が芝浜海岸で大金入りの革財布を拾います。しめたとばかりに仲間を集め酒盛りを始めたものの、酔いつぶれて寝てしまいます。さあ目を覚ますと事態は一変。女房のおたつに夢をみていたのだと論された政五郎は、一念発起して仕事に励みます。そして、自分の店を持つことができました。江戸っ子気質の政五郎としっかり者の女房おたつの姿を通して、庶民の暮らしの哀歓や夫婦の情愛を描いた人情噺です。
  この観劇会はリピーターの方も多く、華やかで優雅な歌舞伎の舞台を楽しみました。
                                                                                             (森 記)